
先日、神奈川の公立高校の1年生に、仕事の話をテーマに授業をした。
人前で話す機会はあるが、自分がまさか学校の教壇に立つとは
思っていなかった。
16歳を相手に話す。何を話すべきかを考え、レジュメは用意したが
当日は相手の反応を見ながら。
出版というテーマ以前に、そもそも社会人の話を聞く機会が
16歳で与えられているのは幸運だと思う。
授業に前にあいさつに来た民間企業出身の校長先生は
「大人の背中を見る機会が減った」と言っていた。
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当時の16歳の自分に戻ったら何を聴きたかったか?
「人より時間をかけたことは、いつか誰かの役に立てる」
「読書は愉しい。動機は何でもいいからとにかく読む」
「好きを掘る、広げる。異常なほど好きで、できないと悔しいと思えることを」
の3つくらい。どれもひとりの(個人の)話だ。
あとは「高校時代に一人でも一生モノの良い仲間と出会うこと」。
(毎年必ず会って1年を振り返る高校時代の友人の話をした)
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当日の僕は、日々部活と男友達でつるむばかりで
大学どころか将来なんてほとんど考えていなかった。
浪人して予備校の先生からたくさんの魅力的な本を
薦められるようになった。
鷲田清一、小林秀雄、吉本隆明。よくわからないけれど
魅力的な本とたくさん出会って本屋に行く楽しみが増えた。
「新書を100冊も読んでない人は大学に行かなくてもいい」
と英語の先生に言われて鵜呑みした。(90冊くらいまでは読んだ)
小論文の授業が面白くてたくさんの文章を書いた。
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反応があったのは、読書をRPGのメタファーで話した点と
仕事は(大人は)愉しいということ。
驚いたことは教室25人のうち2割が村上春樹を読んでいたこと。
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仕事に興味を持って参加してくれた高校生の目は輝いていた。
先生という仕事は、このエネルギーを秘めた生徒たちと
一定の時間向き合う。大変だけれど、魅力的な仕事だ。
教室の一番後ろで頷いて、真剣にメモを取っていた先生がいた。
こういう先生なら、いろんな本の話ができるかもしれない。
こういう機会をいただくといつも、教えられる方が多い。